純粋という名の武器に射抜かれた男の末路4

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あれからどれだけ時間が経ったのだろう、眠い目をこすりながら時計をみたら
深夜の1:30 店の中は時間を感じさせないような時が流れる
楽しそうに話す自分の上司とは裏腹に、早く帰りたい空気が交錯する
自分の事を嬉しそうに話す上司の話を、喜んで聞かなければいけないのは自分だけ
でも帰り際に「良かったな」って言ってくれた同僚の言葉が少し嬉しかった

自分はあれから仕事に没入、、サボってきた数年を取り戻すかの如く
それは期待してる上司への為、いや自分へのプロテスト
そんな事が頭の中ぐるぐる この頃の自分は若干情緒不安定だった気がする
だから自宅へ戻るのも日に日に遅くなり、でも何処へ行くともなく
車を走らせたり、映画で時間を潰したりして
今思えば何をしていたのだろう。。。

そんな時、小声が聞こえた 「落ちましたよ・・・」
はっとして、気がついたら手に持っていた携帯が落ちていた
自分は映画を見る際に、携帯電話はマナーモードにしているのだか
こんな時間に鳴るはずもない携帯を手に持ちながら映画を見ていた
「すみません」と声にはしないけど、声をかけたくれた隣の人へ会釈し映画を観た

映画が終わり若干明るくなった館内 隣の声かけてくれた人も既に姿はなく
自分も映画館を後にし、その映画館と同じ建物にあるコーヒーショップに
行って腹を満たすことにした こんな時間に帰ってゴソゴソしてると
商売してる親に悪いし、何となくお腹も空いていたので、、、
自分は携帯を見て、来るはずもないメールを確認しながらコーヒーを飲んでたところ
ある人と目が合った 向こうは自分の事を知ってるそぶりで自分に近づいてきた

「Oさんですよね?」「そうですけど・・・貴方は?」
そういえば数週間前に、仲間のNが自分を心配して合コンを催してくれて
その時に少し話した覚えがある この頃は仕事の事で頭が一杯だったから
1日前にあった事さえ覚えていない程、余裕が無かった
でもそんな事を忘れさせてくる優しさが有ったから、その彼女に惹かれたのだろう
聞けば彼女は、映画館で携帯を落とした自分に声かけてくれた人らしい
朝までだけど一杯話をした そんなに話したこと無い人なんだけど
自分の話す言葉に頷く彼女の姿が妙に可愛くて、それが見たいが為に。。。

彼女はAという名前で、市内の親父さんが経営してる会社に勤めていて
映画が趣味で、ここにも良く来ているらしい 所謂、常連ってやつで
自分の姿も最近見かけたらしく、さすが常連こえーなって思ったw

休みの日に買い物へ行ったとき、久しぶりにパソコンショップに寄った
Aが新しいパソコンを買う為で行ったけど、その時に初めて気づいた
今売れ線がWindows XP搭載のパソコンって事を
「Windows XPって発売してたんだ 知らなかった」
そういや最近パソコンは、Aとのメールのやりとり以外は使っていないし
インターネットで2ちゃんとか見なくなったし、すっかり情弱になってしまった
まあW2kが使えるパソコンだし、一生これでも良いんじゃないって

色々と物色してたら、Macコーナーがあり、Aがそっちの方へ行った
「Macってオシャレだよね Mac使ってるだけで頭が良さそうに見えるし」
そんなAの言葉に「オレMac持ってるんだぜ」ってドヤ顔で言った
一瞬変な間があって「やべえ やっちまった」って思った瞬間
「えーすごーい 今度見せてよ」って言葉に嬉しさを隠しきれず
「いつかナっ・・・」と自分なりに格好をつけた
買い物を終えて二人は彼女のマンションへ その頃自分はというと半同棲生活をしていた
その頃の自分は「結婚」という意識は全くなく
流れに身を任せるかの如く一緒にいた 彼女も同じだと自分は思っていた

年末近づく土曜日 前から気になっていたトムクルーズ主演の映画を二人で観に行った
その映画は自分にとっては時間つぶしにもならないもので
付き合いでしかたなく観ていた 映画を見終わり食事して帰ろうとした所
Aが「もう1本観ていこ」 自分は心の中で自分の気持ちを抑え「いいねえー」
そして自分にとっての拷問の時間が始まったが、少しでも楽しもうと
大きな画面を観たが、自分にとっては苦痛でしかなく
「人と長くつきあう為には、お互いに妥協しあう」という言葉を
自分に言い聞かせ時間を過ごした

でも、こんな自分勝手な自分に付いてきてくれる娘なんて居ないし いい娘やん
映画の一本くらい我慢しなきゃって思ったら、Aの事が妙にいじらしく感じ
この映画終わったら、優しくしてやらなきゃって思った

その時だった「ブーブーブー」と携帯が唸りをあげた マナーモードいれてた
携帯にメールが届いたらしい 自分の携帯は折りたたみ式で外部サブディスプレイがついていた
暗い映画館で、ポケットに入っている携帯の画面を覗いたところ
ディスプレイにはMacの彼女の名前が表示されていた

純粋という名の武器に射抜かれた男の末路5
あれだけ長く感じた時間が走り出す 躊躇することなく それは恐怖さえ感じる加速でもあり ・・・・恐怖!? 怖いの? 別に疚しい事なんてして無いし、何故怖いの 失ってしまうのがそんなに怖いの?「終わったよ 行こ」Aの声...

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