純粋という名の武器に射抜かれた男の末路5

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あれだけ長く感じた時間が走り出す 躊躇することなく
それは恐怖さえ感じる加速でもあり ・・・・恐怖!? 怖いの?
別に疚しい事なんてして無いし、

何故怖いの 失ってしまうのがそんなに怖いの?

「終わったよ 行こ」Aの声がした
そうか、映画終わってたんだ 館内から出て駐車場までの間
周りには年末って事もあり、多くの人やベルの音で賑わっている
そんな周りの音はなく、自分の鼓動だけが響いている
恥ずかしいくらい 大きく、それは意識すれば倒れてしまうくらい

車のドアを閉めエンジンを掛けようとした瞬間

「さっきの、、仕事? ・・・携帯なってたよね」
Aから切り出した言葉は、まるでロンギヌスの槍を背中に突きつけられた気分で
でも、M(Macの彼女)とは何でも無い訳で、もう終わった話
ほんの一瞬だけど、色々な気持ちが交錯するなか
Aに自分の持っている携帯を差し出した サブディスプレイにはMの名前
「前、付き合っていた彼女なんだ」自分の言葉に、Aは何も言わず こっちを見ていた
「メールって言っても、大した事じゃないと思うし」
「もう終わった事 ごめん・・変な心配させて それにオレにはお前、、」

「判っている・・・」Aは優しく笑った

マンションへと戻る時間はゆっくりと、それはまるでさっきの嵐が嘘の様に静かに流れた
そしてその夜、色々な話をした 幼稚園の頃、高いところに登って降りれなくなった事や
実は、二人ともMMというアイドルを密かに好きだった事とか
選挙になるとやってくる親戚の事や それはまるで一緒に居なかった時間を
パズルに様に埋めていくような時間だった
その時「あ・・・オレ この人と結婚するのかも」って感じた夜だった

次の日、自分はAを会社へ送った そして少しだけAの親父さんと話した
何を話したか覚えていないけど「今度、うちに来なさい」と誘いの言葉をもらった
なんか守る物ができた様な気がして、いつも見る周りの風景が違って見えた

忙しなく行きゆく人々 みんな生きてくために一生懸命なんだ
それは自分の為だけじゃなく、自分の周りにいる人
そう 大切な人を守る
考え方が未熟だった自分とはもう終わりにする
これからは、しっかり歩んでいこうって

そうだ!マンションで使うパソコンを買おう 自分もWindowsXP欲しいし
次の土曜日に何処か家電にでも行ってこよう
久しぶりに自分の悪い癖「新しい物欲しい病」が出てしまった
でもそれは、気持ちが充実しリラックス出来ている証拠な訳でして
Aに話したところ大賛成してもらい、明日の仕事帰りに行くことにした
実はAも新しい物好きな所は自分と一緒で、毎日買い物にいきたい人だった

そして翌日、車で買い物に行った 自分は車で音楽を聴くのが好きな方で
カーオーディオも結構凝って、自分だけの空間って事もあり好き放題DIYしていた
今まではAと車の中で聴いていた音楽は、適当な洋楽を聴いていたが
共通の推しアイドルが判った訳で、ここぞとばかりにMMの曲を聴きまくった
実はAは車の中で流れていた洋楽は全く興味はなく
むしろ苦痛な時が多々あったと笑っていた

そして着いた家電店では年末フェアーをやっていて
それはまるで自分に「買っちゃいなよ」と背中を押されている気分でもあった
浮かれた自分は、今なら何でも買ってしまいそうな空気のなか
Aの言った言葉に思わずはっとした

「Mac買おう」

別に疚しい事なんてないのに何故「はっ」とするの?

「お前まさか・・・」

自分の人生の中で度々訪れる、小心者の自分
悪いことしていないのに、どきどきしてしまい、周りの人に誤解も招く

そんな中、新しいiMacはメモリは最大まで積んで、一緒に買ったisubは
マンションで鳴らすには躊躇してしまう程の重低音
そこから聴こえるMMの曲は、まるで別物の様で
買った事に後悔は全くなく、年末年始を楽しく過ごせそうな気がした

いつも自分の事しか考えていないね  ・・・君は

止まった時間が今、動き出そうとしてた

純粋という名の武器に射抜かれた男の末路6
全てに対する抑止力が働き始めるそれは己の自制心と別に生み出された何か別のたぶん気づかないと思う 君は・・・2×××年春二人は久しぶりに夜の街へと繰り出した ともに夜の街で遊ぶことは嫌いではなかったが 互いに多忙を極める...

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